大阪府の医療の現状と大阪府で働く魅力
大阪府の医療の現状
大阪府の医師数は、25,552人(2020年)。医療施設の従事者は、24,414人(95.5%)のうち病院の勤務者は12,212人(47.7%)、また女性医師数は5,632人(23.1%)と、全国<21.9%>を上回っています。一方で、大阪府の人口は、少子高齢化により緩やかに減少が推測される反面、高齢者の割合は増加が見込まれ2017年の各二次医療圏の医療需要を"100"とすると、2023年および2036年に向けて、大阪府全体では10%の増加が見込まれ、全ての医療圏での医療需要が増加すると見込まれます。このような中、国の試算による医師偏在指数では、大阪府は「257.2」となり、全国第6位の医師多数都道府県となっています。しかし、人口対10万人に対しては、地域偏在(府内8つの二次医療圏のうち、2つの医療圏で医師少数区域)が生じている状況となっています。
そのため大阪府では、国が示す「医師確保対策、地域医療構想、医師の働き方改革」を三位一体として捉えた上で、府内の実態を踏まえた詳細な検討を行い、地域の実態に即した府独自の将来必要となる医師数を算出しております。医療機関の機能分化・連携を通じた医療機能の集約化による『質の高い効率的な医療提供体制構築』のため、政策的に必要な「産科、小児科、救急科、精神科、内科(感染症)及び総合診療科、公衆衛生」を中心に、医師多数とされ政策的な医師確保が制約されている中で、地域偏在と診療科偏在医師確保に取り組んでいます。
大阪府内の二次医療圏別医師偏在指標
人口 10万人対 医師数 |
医師偏在指標 (全国335 二次医療圏) |
区分 | |
---|---|---|---|
全国 | 251.7 | 239.8 | ー |
大阪府 | 283.1 | 275.2 | 医師多数都道府県 |
豊能 | 365.0 | 351.0 | 医師多数区域 |
三島 | 268.2 | 261.7 | 医師多数区域 |
北河内 | 232.1 | 225.0 | 医師多数区域 |
中河内 | 181.9 | 191.4 | 医師多数でも少数でもない区域 |
南河内 | 292.4 | 280.4 | 医師多数区域 |
堺市 | 234.7 | 216.4 | 医師多数区域 |
泉州 | 214.3 | 198.1 | 医師多数でも少数でもない区域 |
大阪市 | 344.2 | 347.4 | 医師多数区域 |
出典 厚生労働省「医師偏在指標作成支援データ集」
大阪府では中河内、泉州の区域で医師減少の傾向にあります。
大阪府が考える医師必要数
二次医療圏 | 現在医師数 | 2036年 必要となる医師数 |
---|---|---|
豊能 | 3,313 | 4,229 |
三島 | 1,853 | 2,203 |
北河内 | 2,446 | 2,703 |
中河内 | 1,534 | 1,560 |
南河内 | 1,430 | 1,600 |
堺市 | 1,853 | 2,087 |
泉州 | 1,925 | 2,129 |
大阪市 | 8,779 | 9,943 |
大阪府計 | 23,133 | 26,454 |
※現在医師数:株式会社日本アルトマークメディカルデータベース2018より京都大学が集計
必要となる産婦人科医師数および小児科医師数
○産婦人科医師数(産科・産婦人科・婦人科医師数)
二次医療圏 | 現在医師数 | 2023年 必要となる医師数 |
2036年 必要となる医師数 |
---|---|---|---|
豊能 | 164 | 196 | 202 |
三島 | 105 | 122 | 123 |
北河内 | 96 | 103 | 96 |
中河内 | 82 | 89 | 83 |
南河内 | 53 | 59 | 55 |
堺市 | 91 | 95 | 93 |
泉州 | 97 | 108 | 106 |
大阪市 | 441 | 486 | 482 |
大阪府 計 | 1,129 | 1,258 | 1,240 |
※現在医師数:株式会社日本アルトマークメディカルデータベース2018より京都大学が集計
○小児科医師数
二次医療圏 | 現在医師数 | 2023年 必要となる医師数 |
2036年 必要となる医師数 |
---|---|---|---|
豊能 | 220 | 245 | 234 |
三島 | 129 | 147 | 137 |
北河内 | 136 | 137 | 119 |
中河内 | 79 | 77 | 64 |
南河内 | 84 | 92 | 80 |
堺市 | 95 | 94 | 83 |
泉州 | 155 | 167 | 150 |
大阪市 | 461 | 481 | 437 |
大阪府 計 | 1,359 | 1,440 | 1,304 |
※現在医師数:株式会社日本アルトマークメディカルデータベース2018より京都大学が集計
必要となる救急科(三次救急医療機関)の医師数
現在医師数 | 2023年 必要となる医師数 |
2036年 必要となる医師数 |
|
---|---|---|---|
大阪府 | 171 | 266 | 274 |
※現在医師数:株式会社日本アルトマークメディカルデータベース2018より京都大学が集計
大阪府で働く魅力
大阪府では、少子高齢化に伴う人口減少社会の中で将来の医療提供体制を見通しながら、大阪の地域医療を支えていく医師を支援するため、大阪府地域医療支援センター(大阪府医療人キャリアセンター)を運営しています。
このページをご覧のみなさんに伝えたい想いは2つです。
「大阪で働く魅力」
大阪には5つの医学部設置大学や多くの病院が集積し、高度な医療機能と魅力的な研修機能があります。症例の豊富さ、上級医のサポート体制など全国的に見ても充実しています。その中で、大阪府は公共的かつ中立的な行政の立場を最大限活用し、大学・病院間の枠を超えた架け橋となってこれらの魅力を丁寧に把握し、網目のように有機的に結び付けることで他府県にはない『大阪全体を舞台とした医師のキャリア形成支援』を展開しています。
「大阪府地域枠・自治医科大学を選んでよかったと思える魅力」
大阪では、既に多くの地域枠医師、自治医科大学卒業医師の方々が活躍されています。確かに、「地域医療を担ってもらう」と言われると義務的でネガティブな印象があるかもしれませんが、決してそうではありません。大阪府が主体となって、5大学や地域の医師と一緒になって若手医師の育成に関わり、最良の道を考えていく中でみなさんがキャリア形成に不安を持つことなく、仕事へのやりがいと大阪への愛着を感じながら、自然体で指定診療業務に従事いただけるよう、全力で応援します。
本事業にご興味をお持ちいただいたみなさんが、当センターが提供するメニューを活用することで、大阪という地域を知り、多くの医師と繋がり、そしてキャリアを形成していく大切な時期に、医療の知識・技術を効率よく吸収・蓄積していくことで、それぞれの分野の第一線で活躍する医師となっていただくとともに、みなさんが医療に対する想いを、大阪を舞台として実現していただくことを期待しています。