キャリア形成プログラム(期間:9年)
若手医師が医師としての基本的能力から学術的知識・能力などを通して、幅広い診療能力を身に着け、高度医療から地域医療に貢献・実践できるようになると同時に、医師の地域偏在・診療科偏在の解消をも目的としたキャリアパスやそのプログラムを「キャリア形成プログラム」と呼びます。その中では、基幹施設、関連施設、協力施設など様々な施設での経験を積むことを通じたプログラムによって、まずは専門医を取得し、さらにより専門性を高めるサブスペシャルティの取得や、指導医の取得を目指すことで、プログラムを修了する9年後には最高の医療が提供できる医師になるためのキャリア形成を支援します。大阪府では、このキャリア形成プログラムの仕組みが、大阪府への医師の定着だけではなく、地域偏在・診療科偏在対策にも寄与するとともに、大阪府全体の『医療の質』の向上に繋がると考えています。
大阪府での歩み
卒後臨床研修(初期研修)
医師としての人格を涵養すると同時に基本的診療能力を身に着けるため、各臨床研修病院が作成した2年間のプログラムにて研修を行います。研修は大学病院や臨床研修指定病院で実施され、研修先はコンピューターによるマッチングシステムにて決定されます。この研修は医学部卒業・医師免許取得後に受けることとされ、2004年以降に医師免許を取得した医師に対して義務化されました。
※注)プログラムは、原則として「内科24週、救急12週、外科、小児科、産婦人科、精神科、地域医療は各4週以上、選択科48週」で構成されています。
専門医制度(専門研修)
2018年にスタートとした専門医制度は、基本領域19診療科で構成されています。基本領域の専門医取得後にサブスペシャルティ領域の専門医を取得する「2段階」方式です。プログラム(3年~5年)は、基幹施設と連携施設などの病院群で形成され、それら施設をローテートすることにより、症例などを経験します。運営は、一般社団法人 日本専門医機構、毎年秋以降に希望するプログラムを登録する仕組みになっています。
カリキュラム制について
専攻医の研修登録はプログラム制が基本とされていますが、以下の場合にはカリキュラム制による登録が選択できます。
1)義務年限を有する医科大学卒業生、地域医療従事者(地域枠医師等)
2)出産、育児、介護などのライフイベントにより、休職・離職を選択する医師
3)海外・国内留学する医師
4)その他領域学会と機構が認めた相当の合理的な理由の場合
※平成30年度第4回厚生労働省医道審議会専門研修部 会日本専門医機構提供資料より
※サブスペシャルティ領域の専門医制度は2022年4月に認定を開始する予定です。